ネットワークで世界を繋ぐ夢
道智香港支部長(国大3)のご尽力でスタートした津田アジアネットワーク大会(第1回香港・第2回北京)に触発されて、「津田ふれあいネットワーク」でも留学生支援のネットワークづくりに力を入れ始めました。
「津田ふれあいネットワーク」は2001年5月に発足した津田塾同窓会の自主グループです。津田塾同窓会の理事を6年間務め、任期を満了した人たちから有志が集まって話し合って誕生しました。年度初めに立てた年間計画に沿って進められる同窓会組織の活動とは異なり、ある程度自由に“小回りの効く”自主グループの活動を通して、同窓会本来の活動を側面からお手伝いするという趣旨の下、当時の田中節子同窓会長や小林和子元同窓会長ほか、沢山の方々のご支援を得てスタートいたしました。
当初は、高齢になられた大先輩たちを若い後輩たちが必要に応じてお世話し、お助けすることを旨として活動しておりましたが、津田塾同窓生たちはご高齢でも矍鑠として自立しておられ、「お助けする」必要があまりないことに気づきました。スタート時から代表を務めてこられた大塚シゲさん(英大9)がNewsletterの巻頭言にいつも掲げられている「もっと楽しく!もっと優しく!ふれあいネットワーク」の言葉通り、卒業年度や経歴などにかかわりなく、同窓生同士が楽しく、優しく交流し、必要とするときは助け合うことをモットーとして活動を続け今日に至っています。同窓会理事のように任期で交替することなく、今年は18年目に入りますが、創立時から今日までほぼ同じメンバーで、それぞれ思うことを自由に語り合い、実現させて活動してまいりました。
私はその活動の一つ、旅行やバスツアーを企画担当してきました。津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス前から出発して帰着する日帰りバスツアー、一泊二日の国内旅行、一週間を超す海外旅行などです。中でも忘れられないのは、津田塾創立100周年を記念して2002年8月に催行した「津田梅子の足跡を訪ねて」と題したブリンマー大学訪問の旅です。現 津田塾大学学長の高橋裕子先生が津田梅子に関する歴史、エピソードやスピリット等々、また、梅子の「夢」を支えたアメリカの女性たちについて熱く語りながらご同行くださった旅が大変印象的で貴重な思い出として鮮明に残っています。
「津田ふれあいネットワーク」では、同窓生同士の交流のみならず、母校の発展に寄与することも心に留め、津田塾大学で学ぶ留学生たちを支援することも心掛けてきました。留学生たちに日本文化を紹介するための歌舞伎・能・文楽鑑賞、同窓生のお宅を訪問しての茶道や和服体験、地方を旅行する学生たちには同窓生のお宅を提供していただいてのホームステイ等々、日本で得難い経験をして帰国した留学生たちは数多く居ます。こうした留学生ОGたちとも同窓の仲間として末永く繋がっていけたら素晴らしい事と思い、この度、長年に亘り地道に留学生を支援してこられた福田誠子さん(英大20)や津田塾大学国際センター勤務のご経験をお持ちの加治屋さわみさん(英大21)と一緒に、留学生ОGの中で希望者には「津田ふれあいネットワーク」の留学生会員になっていただくよう試みましたところ、6名の留学生会員が誕生いたしました。留学生たちが帰国した後もメールやNewsletterなどを通して、彼女たちとコンタクトをとれるように努めたいと考えている次第です。
他方、私は、藤田タキ元津田塾大学学長が日本支部を創設されたPPSEAWA(パシイワ・汎太平洋東南アジア婦人協会)というNGО国際女性団体にも所属しています。パシイワは1928年ハワイのホノルルで、ジェーン・アダムス女史(1931年ノーベル平和賞受賞)を議長として開催された第1回会議にて発足しました。その第1回会議には日本から井上秀子氏を団長として市川房枝氏・藤田タキ氏他各界代表20名が出席されたと聞いています。PPSEAWAには太平洋を取り囲む22の国々や地域が加盟しており、世界の平和に寄与し、加盟国間の理解と友情を深め、社会問題や女性問題の研究と改善に努めることなどを目標に活動しています。3年ごとにいずれかの加盟国で国際会議が開催されますが、長い歴史の間にはUSA、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、西サモア、クックアイランド、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、トンガ、インドネシア、フィジーなどで開催されました。日本でも埼玉県武蔵嵐山にあるNWEC(国立女性教育会館)で開催したことがあります。今回は2019年6月22日(土)~26日(木)に台湾の台北市にある板橋凱徹大大飯店(シーザー・パーク・ホテル・パンチャオ)での開催が決まっています。幸い、福田誠子さんはじめ「津田ふれあいネットワーク」会員の内の何名かはパシイワ会員でもありますので、この機会を活かして国際会議会期中に、台湾在住の津田塾同窓生や留学生ОGたちと会食のひとときを持ち、アジア・ネットワークについて話し合うことができれば、夢への第一歩を踏み出すことができるかもしれないと思い、只今、計画中です。
今後は、同窓生同士のみならず留学生ОGたちとも広く交流し、その中で留学生たちへの支援や母校への関心も一層,強めてゆきたいと願っています。そして、そのネットワークの輪を世界に広げていけたら・・と夢を描いています。